イタリア・トスカーナの休日(その7)

カスティリオーネ・ デッラ・ ペスカイア~海のトスカーナ

ビーチの夕暮れ

カスティリオーネ・ デッラ・ ペスカイアはラムサール条約に登録されたディアッチャ・ボトローニャ湿地帯など手つかずの自然とイタリア最高級とされるマレンマ牛で知られるマレンマ地方にある港町です。素朴な中にもちょっとおしゃれなビーチと、急坂を登り切ったた小高い丘の上に城壁に囲まれた旧市街が広がる、いかにも「イタリアのリゾート」といった感じ。

ビーチから望むカスティリオーネ・ デッラ・ ペスカイア城

フィレンツェから車で約2時間半、ローマからも高速利用でだいたい同じくらい。夏の観光シーズンにはシエナ辺りからバスがあるようですが、やはりレンタカーでないと行きにくいこともあるので、イタリア在住の日本人以外には訪れる人はいないようで、宿泊したホテルでも「あなたたちが初めての日本人」ということで飲み物のサービスをしてくれました。

「旧市街の路地裏」

15世紀に築城されたカスティリオーネ・ デッラ・ ペスカイア城を中心に中世の雰囲気を残す旧市街は「ザ・ヨーロッパの路地裏」といった趣があり、日中は人通りもまばらですが、夜になると様相が一変し、路地いっぱいに広がるレストランのテラス席がどこも満席になるほどの賑わいで驚きました。マレンマ牛・キアナ牛に加えて、港に水揚げされたばかりの新鮮な魚介類を堪能できるカジュアルなレストランが立ち並び、長期滞在しても食に飽きることはなさそうです。

タラモネの小道

カスティリヨーネ・デッラ・ペスカイヤから日帰りで足を延ばせる見どころの一つとして、車で小一時間、広大なマレンマ州立公園に沿って50KMほど南下するとティレニア海に突き出した半島の先端にその名をギリシャ神話に由来するタラモネがあります。村の高台にある石積みの堅牢な要塞から周囲を見渡せば、ローマ時代よりはるか昔から争いの中におかれた交通の要衝ということもうなずけます。この辺りの海はトスカーナ州でも最も美しいと言わているそうで、小道から垣間見えるエメラルド色は息を呑むほどでした。

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